アフェレシスってなに？
「ž」はなかなか耳にすることのない言葉ですが、「アフェレシス」と読み、ギリシャ語由来の言葉で『分離』を意味します。
どんな病気に行うの？
- ž肝臓の病気（劇症肝炎・重症肝不全、C型肝炎など）
- ž腸の病気（潰瘍性大腸炎・クローン病）
- ž腎臓の病気（溶血性尿毒症症候群、巣状糸球体硬化症など）
- ž膵臓の病気（重症急性膵炎）
- ž循環器の病気（家族性高コレステロール血症、慢性閉塞性動脈硬化症、バージャー病など）
- ž膠原病（全身性エリテマトーデスなど）
- リウマチ（関節リウマチ・悪性関節、リウマチ）
- ž皮膚の病気（天疱瘡・中毒性表皮壊死）
- 血液の病気（多発性骨髄腫）
- ž神経の病気（ギランバレー症候群など）
- ž感染症（敗血症・多臓器不全など）
- žその他（薬物中毒、難治性胸水、腹水症）
アフェレシス療法ってどんな治療？
「アフェレシス」は専用の装置や回路を用いて、血液を体外へ取り出し、病気の原因となる物質を、血液中から『分離』して取り除く治療です。アフェレシスの方法としてさまざまな方法があります。
単純血漿交換法
体内より血液を取り出して、血漿分離器により血球成分と血漿成分に分けた後、分けた血漿を全て破棄し、代わりに新鮮な血漿もしくはアルブミン溶液を補充液として体内に戻す治療法です。
二重膜濾過血漿交換法
体内より血液を取り出して、血漿分離器により血球成分と血漿成分に分けた後、血漿成分分離器により血漿成分をさらに分け、病気の原因となるものは破棄し、タンパクなど必要なものは体内に戻す治療法です。また、破棄した血漿のかわりに新鮮な血漿もしくはアルブミン溶液などを補充液として体内に戻します。
二重膜濾過血漿交換法（再循環法）
体内より血液を取り出して、血漿分離器により血球成分と血漿成分に分けた後、血漿成分分離器により血漿成分をさらに分け、病気の原因となるものは再循環回路内に閉じ込め、タンパクなど必要なものは体内に戻す治療法です。血漿を破棄しないため、補充液が必要ありません。
血液吸着療法
体内より血液を取り出して、特定の血液吸着器により血液中の原因となるものを選んで、吸着除去する治療法です。
吸着式血球成分除去療法
体内より血液を取り出し、血球成分吸着器により炎症の原因となり、悪さをする血球成分（おもに白血球）を吸着除去し、体内に戻すことで炎症を鎮める（寛解）治療法です。
血漿吸着療法
体内より血液を取り出して、血漿分離器により血球成分と血漿成分に分けた後、分けた血漿成分から原因となるものを、特定の血漿吸着器によって選んで吸着除去する治療法です。血漿吸着器は二本使用し、洗浄と吸着を交互に行います。
どんなふうに行うの？
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入室
ベッドに横になり、血圧測定や体調をお聞きします。
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穿刺
消毒して針を血管に2本刺します。
※からだから血液をとり出す針とからだに血液を返す針が必要です。
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治療中
リラックスしてお過ごし下さい。
※ラジオを聞いたり、TVをご覧頂いてもかまいません。
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返血
からだの外に出ている血液をからだに戻して針を抜きます。
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退室
血液が完全に止まったのを確認してからお帰り下さい。
※治療中血液が止まりにくくなる薬を使用しています。
治療時間と治療の回数は？
治療時間：約1.5～2時間 ※治療の回数・スケジュールは、患者様の病気・治療方法により異なります。
アフェレシスの治療効果は？
アフェレシス治療の魅力は、なんといっても従来の治療では、なすすべもなかった患者様が数回の治療で、時として初回の治療から劇的な症状の改善を示すこともあります。
アフェレシスは、薬物療法と比較して副作用の少ない治療です。またアフェレシスを行うことで、ステロイドや免疫抑制剤などの薬減量が可能です。
