フットケアはただ足をきれいにするだけのケアではなく、足を生涯守ることを目的に行うケアです。健康な人は陥入爪(巻き爪)・白癬(水虫)・あかぎれなどが原因で足を失うことはありませんが、糖尿病・動脈硬化症・腎疾患などの足ハイリスク疾患を持つ人は些細な傷がきっかけで切断となることが非常に多いのが現状です。そこでフットケアが重要となります。
当院のフットケア
定期的に視診・触診・問診・嗅診を行い足の病変のリスク重症度チェック、セルフケア指導を行い予防的介入します。また診察のほか足浴・マッサージ・爪切り・角質除去・胼胝(たこ)除去・鶏眼(うおのめ)除去・陥入爪テーピング・白癬検査・血流検査を行います。リスクのある人はさらに詳しい検査を行い、
内服治療、アフェレシス治療等を行います。また必要に応じて靴作成のサポートも行います。
爪切り・角質除去・胼胝(たこ)除去・鶏眼(うおのめ)除去ではニッパー・ガラスやすり・爪ゾンデ・コーンカッター・レデューサー・ネイルグラインダー・等を使用します。
末梢循環管理について
はじめに
足が冷たい、足がしびれる、長く歩くと足が痛い、足の傷が治らないなどの症状がある方は、末梢動脈疾患(PAD)の可能性があります。PADは手や足の動脈が狭くなったり、詰まったりすることが原因となります。PADは、フットチェックや様々な検査で発見できますが、早期発見、早期治療が重要です。
当院で行えるPADの検査
問診・触診
触診では、足の動脈を皮膚の上からさわって、脈が触れるか確認します。脈が弱かったり、触れない場合は、 足の動脈に狭窄や閉塞があると考えられます。
(検査にかかる時間:10分)
ABI測定(足関節上腕血圧比測定)
腕と足首の血圧を測り、腕に比べて足首の血圧が低い場合は、下肢閉塞性動脈 硬化症が疑われます。 また、足の血圧の方が腕よりも特に高い場合(1.3倍以上)は、動脈の石灰化が起こっている可能性があります。 (検査にかかる時間:15分)
SPP測定(皮膚灌流圧測定)
血管の石灰化がすすんでいる方では、足首などの血圧が正しく測定できないことがあります。 SPP測定は、皮膚表面の毛細血管の流れを確認する検査であり、石灰化の影響を受けずに、下肢閉塞性動脈硬化症の重症度を評価できます。
実際には、足の甲や裏の皮膚にセンサーをあて、血圧計カフを巻いて固定します。そしてカフを加圧し、皮膚表面の血液が流れはじめる圧を測定します。
(検査にかかる時間;45分~1時間)
下肢動脈エコー
超音波を用いて足の血管(動脈)に異常がないかを調べます。どこの血管が狭窄・閉塞しているか、血液の流れがいいか悪いかなどがわかります。
(検査にかかる時間;45分~1時間)
当院で行えないMRA検査やCT検査が必要な場合は他院への紹介を行っています。
PADの治療の種類
薬物療法
血液をサラサラにするお薬や、血管を拡げるお薬を服用します。
運動療法
基本的には歩行訓練になりますが、歩くことで細い血管の血液の流れが改善されたり、新しく血管が作られたり、足の血流がよくなるといわれてます。医師の指示のもと、専門施設またはご自宅で行います。
血管内治療
血管の狭窄や閉塞の部位までカテーテルを挿入し、風船 (バルーン)を膨らませて広げたり、その部位にステントと呼ばれる金属製の網目状の筒を留置することにより、血管を広げて血流を回復させる治療です。 足の付け根や肘の内側に局所麻酔を行い、針をさして、そこからカテーテルを挿入します。
当院では行うことができないため、必要に応じ、他院を紹介いたします。
外科的治療
血管の閉塞部位の上下に、血管(自己、人工)をつないで、新しい通り道(バイパス)を作ります。当院では行うことができないため、必要に応じ、他院を紹介いたします。
アフェレシス治療
血管の狭窄や閉塞の部位までカテーテルを挿入し、風船 (バルーン)を膨らませて広げたり、その部位にステントと呼ばれる金属製の網目状の筒を留置することにより、血管を広げて血流を回復させる治療です。 足の付け根や肘の内側に局所麻酔を行い、針をさして、そこからカテーテルを挿入します。
当院では行うことができないので、必要に応じ、他院紹介いたします。
末梢循環管理
当院では下肢動脈に対し、血管超音波・ABI・SPPの検査があり、症状や状態に応じて検査法を選択しています。
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血管超音波
足の動脈に超音波を当てることで無侵襲に血管内腔、血管壁の状態、血流などの評価ができます。
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ABI
上腕と足の血圧を測定することで、血管の詰まりの程度がわかります。
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SPP(皮膚灌流圧)
皮膚表面の毛細血管の血流を測定し、血行を評価します。