長時間透析とは??
長時間透析は、週3回、6時間以上、週18時間以上の透析治療のことをいいます。透析時間を延長することで、健康状態や身体症状の改善がみられ、長寿に期待できる治療方法と言われています。
短時間透析(4時間以下)の現状
- 10年生存率:40%程度と低い
- 平均余命:健常者の1/2
- 年間死亡率:10人に1人(9.4%)が死亡
- 降圧剤の使用:60.9%(4時間)、22.8%(6時間)、2%(8時間)
・・・血圧変動が少なくなり、動脈硬化が予防できる - 体重変動:減少傾向(4時間)、健常時と同等(6時間)/2
- 合併症(アミロイドーシスなど)の出現頻度が高い
長時間透析はなぜよいのか?
しかし、食事制限をしながらの透析は、身体に不必要な毒素を除去するとともに、必要なエネルギーや蛋白もどんどん盗まれます。これが長く続くと身体の栄養素が減りので、筋肉を壊し補おうとしますが、全身の栄養状態の悪化が起こっていきます。よって食事制限は栄養失調をどんどん増加させてしまう可能性があります。
ただ長生きではなく、元気で長生きを目指して長時間透析を行うことで食事制限が緩やかになり、栄養状態が改善することで、
不要物質の除去と体格・筋肉の保持を両立しやすくなります。
- 比較的自由な食事が可能となる
- 十分な透析、良好な血圧のコントロール
各溶質の除去できる量・身体がきれいになった量
※(4時間透析を100%にした場合)
長時間透析を行っている患者様の声
通常透析と長時間透析の違い
通常透析 | 長時間透析(通常透析と比較して) | |
透析回数 | 3回 / week | 3回 / week |
治療時間 | 4hr / 回 | 5〜6hr / 回 |
循環動態への影響 | 大きい | 小さい |
透析効率 | 限度あり | 上昇 |
蛋白質の喪失 | 短期間で低下 | 比較的維持可能 |
血圧コントロール | 少ない | 多い |
降圧薬の服用 | 不良 | 安定 |
合併症の発生頻度 | 長期で高い | 少ない |
食事管理 | あり | 比較的自由食 |
栄養状態 | カロリー的管理困難 | 良好 |
体重管理 | 減少しやすい | 増量傾向 |